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細胞レベルから若返る3つの方法

いきなりですが、質問です!

あなたは実年齢よりも【若い】と言われることが多いですか?

それとも実年齢よりも【老けている】と言われることが多いですか?

最近、実年齢よりも上と言われることが増えたと思う方に、朗報があります。

【実は、細胞を若返らせる方法があります】

あなたの周りにいつまで経っても肌はプルプル、
髪はツヤツヤの方っていませんか?

実はその方は【細胞レベルで若返る方法】を無意識に行っているかもしれません。

細胞が若返ると、肌のツヤ、髪のコシなど美容や
アンチエイジングにいい影響ばかりなんです。

もちろんどんな方でも細胞を若返らせることは可能です。

細胞が若返ると、
具体的には

・体の疲れが回復しやすくなる
・肌にハリが出る
・病気にかかりにくくなる
・寿命が伸びる
・抜け毛の改善

など美容だけでなく健康にもいい影響ばかりです。

私がクリニックで行っている予防医療の施術では、
患者さんの細胞やホルモンの働きなどを診断して改善しているのですが、
その中でも美容、アンチエイジングは密接に細胞と関係しています。

そこで今日は予防医療的観点から
【細胞レベルから若返る3つの方法】を紹介します。

 \\\\ 細胞レベルから若返る3つの方法 ////

それでは早速本題に入りましょう!

結論から先に言ってしまうと
細胞レベルから体を若返らせる方法はこの3つです。

1.16時間断食
2.7時間以上の睡眠とスクワット
3.瞑想(腹式呼吸)

の3つです。

大きく分けると

①食生活
②生活リズム
③呼吸

に分類できますね。

恐らくどれも聞いたことがあるものばかりと思いますが、
実年齢よりも老けて見られる方はほとんど日常的にできていません。

逆にこの3つがどれもできている方は実年齢よりも若く見られることが多いはずです。

今日はこの3つについて予防医療の観点から詳しくお話ししていきます。

早速この3つについて具体的なお話をしたいところですが、
それをお話する前に、

【そもそもなぜ老化という現象が起きてしまうのか?】

そのメカニズムについてお話しします。

このメカニズムをわかっていないと、
通販で流れる成分がよくわからない健康食品を買ってしまったり、
TVで流れる〇〇ダイエット!!という流行に踊らされてしまいます。

残念ながら騙されるのは「正しい知識がない人」ばかりです。

正しい知識を身につけて、
そういった無駄なことに時間やお金をかけないように注意してくださいね。

\\そもそもなぜ老化という現象が起きてしまうのか?//

老化には、様々な説があります。

活性酸素説
ホルモン低下説
有害金属説
遺伝子決定説
慢性炎症説
幹細胞説

どれもが老化や若返りに関連しておりますが、
その中でも「細胞レベル」というキーワードで考えたとき、
最も関係するものはずばり「細胞分裂」です。

あなたの体を作っている細胞1つ1つは、
常に分裂を繰り返し、新しい細胞を作り出すことで「若さ」を保っています。

しかし、細胞は無限に分裂できるわけではありません。
一定回数分裂した細胞は、それ以上分裂できなくなります。

1961年米ウイスター研究所のヘイフリック博士は、
若い人の体から細胞を採って培養したところ、
細胞は50~60回分裂すると、もうそれ以上分裂しないことに気付きました。

さらに、40歳と80歳の人から細胞を採ってきて培養すると、
細胞の分裂する回数が年齢の分だけ少なくなるということを発見しました。

このように、細胞の分裂回数には限度があることがわかったのです。

細胞が分裂できなくなる。

つまり、新しい細胞が作れなくなること。

これを「細胞死」といいます。

細胞死が始まると、新しい髪の毛や皮膚が作れなくなり

抜け毛
薄毛
シミ
シワ
たるみ

などが起きやすくなります。

これがいわれる「老化」と呼ばれる現象の正体です。

「老化=細胞が死んでいる」

と考えるとわかりやすいですね。

そしてさらに、
この細胞死と密接にかかわっている「あるモノ」があります。

そのあるモノは必ずあなたの体の中にあり、
いまも必死に働いてあなたの体の若さを保とうとしてくれています。

今回はその「あるもの」がとても重要なポイントになります。

そのあるモノとは、「テロメア」です

「テロメア」とは、染色体の末端にあるものです。

このテロメアは、
医療の世界では「命のろうそく」や「命の回数券」と呼ばれており、
美容やアンチエイジングどころか寿命や生命そのものを表す指標とまで言われています。

なぜ「命のろうそく」や「命の回数券」と呼ばれているかと言うと、

細胞分裂をした細胞が新しくなるたびにテロメアは短くなっていき、
テロメアがある長さ以下になった細胞は生まれ変わることができなくなるんです。

簡単にまとめるとこうなります。

老化=細胞が分裂できなくなる状態、つまり細胞死

細胞死=テロメアの長さで回数がきまるといった感じです。

つまり、テロメアの長さは、細胞の若さを示す「回数券」と考えられるのです。

なのでテロメアの長さが短い方は
細胞を新しくする回数券が残りわずか数枚になっていると思ってください。

回数券が0枚になると新しい細胞ができなくなるので老化を辿る一方となります。

でも安心してください。

命の回数券であるテロメアの長さを伸ばしてくれる酵素があります。

その酵素の名を「テロメラーゼ」といいます。

テロメラーゼは、テロメアのDNAを作り、伸ばしてくれる働きがあります。

皮膚や血管、血液など細胞の種類によって条件は異なりますが、

細胞分裂が「回数券を使う」ことだとすると
「テロメラーゼを増やすことは「回数券がもらえる」ということです。

しかし残念ながら多くの方は回数券を使ってばっかりで増やしていません。

この回数券をもらうためには冒頭に言ったように

①食生活
②生活リズム
③呼吸(ストレスコントロール)

の3つが重要になってきます。

これからお話することを実践していただければ、
テロメアを伸ばしてくれる酵素、「テロメラーゼ」が活性化し、
テロメアの短縮スピードを遅らせ、テロメア年齢を伸ばすことができるのです。

そうすれば年齢に関係なく
肌つやを保ち、いつまでも若若しい体を維持することができます。

・・・前置きが長くなってしまいました笑。

ここからが具体的な解決策の説明ですが
2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士らが、
生活習慣とテロメアの関係についての研究成果をまとめた本を出版しました。

さらに過去の様々な報告からテロメアを長持ちさせる方法をまとめて紹介していきます。

①16時間断食(ショートファスティング)

まず1つめがプチ断食です。

断食というと2日~5日ほどなにも食べない生活を考えてしまいますが、
私がオススメしているのはプチ断食です。

プチ断食とはその名の通り「少しだけ断食することです」

例えば、夜8時に夕食を食べ終え、翌日のお昼12時まで食べなければ、
16時間のプチ断食になります。

これを週1回行うことでなんと老化対策になることが科学的に判明しました。

ファスティングは、細胞の劣化や病気を防ぐ食事療法として
世界的に注目が高まり、2000年以降、論文数が増えました。

そうした最新の研究結果から、食べ物を口にしない時間を長く取ると、
健康面で多くのメリットが得られるということが明らかになってきました。

なぜ断食が体にいいのか、その鍵となるのが、「オートファジー」です。

オートファジーとは、古くなった細胞を、
内側から新しく生まれ変わらせる人間がもともと持っている体のしくみのことです。

細胞は主に蛋白質で作られており、
しの生きている中で、古くなり壊れたりするものも出てきます。

それらの多くは細胞の外に出されますが、出しきれなかったものは細胞内にたまり
細胞を劣化させ、体の不調や病気の原因となります。

オートファジーは、そういった不要な蛋白質を集めて分解し、
新たな蛋白質を作るんです。

ただし、オートファジーは、食べ物により栄養が十分にある状態では、
ほとんど機能しません。

重要なポイントなので、もう一度言います。

【食べ物により栄養が十分にある状態では、ほとんど機能しません】

最後に食べ物を口にしてから10時間たつと
肝臓に蓄えられた糖が消費されて脂肪が分解され、エネルギーとして使われ始めます。

そして16時間たつと、いよいよオートファジーが活躍し始めるんです。

そもそもオートファジーは、
細胞がストレスを受けた時に生き残れるように組み込まれたシステムで、
飢餓状態になったときこそその働きが活発になります。

テロメアが短くなり細胞が老化する際、
このオートファジーが誘導されることがこれまでの研究で明らかとなりました。

オートファジーによる細胞の生まれ変わりが起これば、
不要なものや老廃物が一掃され、全身の細胞が活性化し、
肥満の解消はもちろん、病気になりにくい若々しい体になるんです。

こうしてオートファジーが活性化すると
細胞の再生が促され、体の不調や老化が改善されます。

人間の体は本当にすごいです、
オートファジーは身体の「ルンバ」みたいなものですね。

・・・なにも食べない時しか動きませんが。笑

プチ断食でさらに良いことがあります。

食べ物を食べないので当たり前ですが内臓に食べ物が届きません。

つまり内臓は働かなくていいので、休むことができます。

現代人の内臓は常になにかしらの食べ物がはいっており、
内臓がボロボロの方が非常に多いです。

内臓を休めることができれば

消化・吸収・解毒機能が高まり、腸内環境も改善するので

・便秘
・胃のむかむか
・ガスの排出

などの効果も期待できます。

なお、1つだけ注意点ですが

プチ断食に入る前には、必要な栄養がきちんと摂れる食事を意識してください。
特に意識してとっていただきたいのが【良質な油】です。

オメガ3系脂肪酸を豊富に含む食品を積極的にとってください。

オメガ3脂肪酸とは、人の体に必要な油の種類です。

しかしこのオメガ3脂肪酸は人の体内で作ることはできないので、
食品から取るしかありません。

そしてこのオメガ3脂肪酸は現代人に不足しがちな栄養素でもあります。

積極的に取り入れたい栄養素です。

具体的には亜麻仁油やえごま油、くるみ、青魚などです。

そして、最低でも寝る前の4時間は何も食べないようにしてください。

私がプチ断食するときは、夜8時か、その少し前から、何も食べないようにしています。

②7時間以上の睡眠とスクワット

睡眠のお話をする前に1つ言わせてください。

まず前提としてテロメアの回数券を増やしたい方で
タバコを吸っている方がいれば今すぐにやめてください!

ある実験で、タバコを1日1箱、10年間吸い続けた人は、
吸っていない人と比べてテロメアが2年分短かかったという結果でした。

つまり、喫煙は文字通り命を削ります。

喫煙などのテロメアを短くするような生活習慣を避けることが重要です。

また、肥満体型の方も要注意です。

ロンドン在住の18~76歳の女性1,122名のテロメアを調査したところ、
肥満の人は、そうでない人に比べてテロメアが平均8年分も短かったという
報告があります。

これは極論ですが、タバコを吸う肥満の方は、
実年齢よりもプラス10歳老けて見えると考えてもらうと、
いかに喫煙と肥満が体によくないかお分かり頂けると思います。

それでは話を戻しますが、
睡眠とテロメアの関係についても調査が行われます。

毎日5~6時間しか寝ていない高齢者のテロメアは短い傾向でしたが、
7時間以上寝ている高齢者のテロメアは、中年の人と同じかそれ以上の長さでした。

スウェーデンで平均68歳の49人を運動するグループとしないグループに分け、
運動とテロメアの関係を調べました。

6カ月間運動を続けた人は体重や体脂肪率が減りましたが、
意外なことにテロメアの長さは運動量とは関係しませんでした。

ところが運動とは別に「1日に座っている時間」を調べてみると、
座っている時間が短い人ほどテロメアが長いことが分かりました。
(*6)*6 Br J Sports Med. 2014 Oct;48(19):1407-9 

つまり、テロメアを伸ばすには運動量よりも運動の質が問われます。

もちろんジョギングもいいですが、天気や準備などネックになることが多いです。

個人的にオススメなのはスクワットです。

家の中でもできますし、適度な負荷もかかるので実践しやすいと思います。

ちなみに歩くだけではテロメアの長さには影響しないのでご注意ください。

この下半身に軽く負荷のかかる運動を、最低でも週に3日ほど取り入れるといいでしょう。

③瞑想(腹式呼吸)

瞑想とテロメア延長の報告は多数あります。

さらに、自己肯定感の強い人や楽観主義の人はテロメアが長いことがわかっております。
Psychol Health. 2016 Dec;31(12):1466-1480

瞑想をすることでストレスコントロールができ、
身体のダメージも抑えられるのです。

特に「呼吸」は大事です。

寝る前に座禅をしながら、何も考えずに腹式呼吸を行うのが良いです。

半身浴でお風呂に入りながら腹式呼吸をするのでも構いません。

そのときにポイントとなるのがゆっくりじっくりです。

5秒かけてゆっくり息を吸い、10秒かけてじっくりはくこと。

これを5回繰り返します。

そのとき、意識をお臍の下に向けてください。

これら3つをやったらどうなったかについてお話します。

カリフォルニア大学予防医学研究所で、
35人の男性のうち10人にライフスタイルの改善を指導しました。

低脂肪で野菜や果物の多い食事、週5回以上の有酸素運動、ストレス管理など、
トータルで「健康的な生活」をしてもらいました。

5年後に採血してテロメアの長さを測ると、
何もしなかった人たちが3%短くなっていたのに対し、
指導を受けたグループでは10%長くなっておりました。(*4)
*4 Lancet Oncol. 2013 Oct;14(11):1112-20

適度な運動や適切な食生活、良質な睡眠、ストレスをためないことなどは
いずれも健康・長寿の秘訣とされてきました。

当たり前のことですが、
テロメアにもこの当たり前のことが当てはまるのです。

逆にテロメアを見ることでその人の生活習慣や健康状態が浮き彫りになり、
病気との関係をより明確にすることができるかもしれません。

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いかがでしたか?

こうやって見てみるとほとんどが
「もともと体に備わっている機能」が関係していることがほとんどです。

現代人を取り巻く環境は大きく変化し続けてきました。

その過程で本来使うべき、体の機能を多くの方は
ご自身で封印してしまっていることが多いです。

非常にもったいないことです。

生活習慣を意識して変えるだけで、
細胞レベルでの健康寿命を伸ばす効果が期待できます。

人生100年時代と言われている今だからこそ
1人でも多くの方の健康寿命を伸ばすお手伝いができればと思っています。

最後までご覧頂きありがとうございました。

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