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コラム

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医療費が値上がりすることがほぼ決まりました。

残念ながら、今回は明るい話ではありません。

「医療費」について現役予防医師の私から
皆さんにお話させていただこうと思います。

皆さんが毎日いやというほど見ているニュースがあると思います。

お察し通り、あの感染症です。

感染症が蔓延したことによってあらゆるものが変わりました。

食事の仕方からビジネス、マナーまで。

2020年はまさに激変の時代だったと思います。

しかし、激変したのは生活様式だけではなく、
「医療費」というものまで変わってしまいそうです。

今日はそのことについて詳しく解説していきます。

医療費が上がる理由

医療費は毎年少しずつ上昇し、
2019年の日本の医療費は43兆円、
国民1人あたり35万円と過去最高を更新しました。

これはスペインの国家予算と同じくらいです。

なぜ医療費が上がり続けているのか?

年々、医療費が増加する主な原因は
75歳以上の後期高齢者の医療費の増加です。

75歳以上の後期高齢者の
1人当たり医療費は94万円にものぼります。

当然、高齢化の進む日本では、
今後も医療費の増加が予想されます。

2040年には67兆円になるとの予測もあります。

さらに新しい薬が開発されたり、
ロボット手術が可能になったり医療はどんどん高度化していますので、
医療費は増加していくのが自然です。

加速する高齢化などを背景に、
日本の医療費は毎年1兆円を超える規模で増え続けており、
このままでは近い将来、
「国民皆保険制度」も破綻しかねない状況です。

日本の国民皆保険制度の特徴は、
有効とされている治療は原則としてすべてカバーされていることです。

年齢や収入により、1~3割の自己負担は存在しますが、
高額療養費制度のため、負担には上限があります。

この制度のお陰で、医者も患者も医療費のことをあまり
気にせず「標準医療」を追求できていました。

なぜ、こんなことが可能だったのかと言えば、
それは、かつて日本が若くて、豊かな国だったからです。

日本で国民皆保険制度が成立したのは、1961年です。

当時の65歳以上の割合は【5.8%】でした。

国民皆保険制度は、
高齢世代の医療費を現役世代が負担する方式です。

当時は現役世代【17人】で
1人の高齢者の医療費を負担していましたから、
大きな負担にはなりませんでした。

また、この制度が議論されていた1950年代に
問題となっていたのは、結核などの感染症です。

いまとなっては想像もつきませんが、
1950年までは死因のトップは結核でした。

周囲に拡散させないためにも、皆でお金を出し合い
入院してもらって治療するという制度は合理的でした。

ところが、
2020年の65歳以上の割合は【28.7%】と世界最高です。

2035年には【35%】を超えると予想されています。

本来、保険システムの維持は給付とバランスで決まります。

社会が高齢化すれば医療需要は増します。
給付レベルを下げるか、負担を増やすしかありません。

給付レベルを下げるには
患者側の無駄な受診や医師側の無駄な検査や診療を
抑制する方法などが取られるでしょう。

風邪や花粉症で病院を受診しても薬は貰えなくなり、
そういった軽症の病気は薬局で自分たちで買ってくださいとなるでしょう。

実際、薬局で買える薬は年々増えてきており、
CMもバンバン打たれています。

これによって患者負担も間違いなく増えるでしょう。

そして今までは1割~3割負担だったのが、
5割以上となり、どんどん家計を圧迫します。

高額な医療や先進的医療は
公的保険から外され自由診療の領域となり、
プライベートな医療保険に加入できる層とできない層の間で
健康格差が拡大する可能性もあります。

ここで一例をあげましょう。

60歳で糖尿病、
65歳で高血圧、高脂血症発症、
77歳で心筋梗塞発症し、現在79歳の方の場合。

この19年間での医療費は、約350万円になります。

さらに病気により収入が減ります。

60歳~65歳で年間100万円×5年間で500万円の損失。

トータル850万円の損失になります。

自営業などで定年がない方は損失がさらに増えます。

また上記にあわせて合併症があると+100万円、
さらに保険外診療を行うと+200万円と、
医療費はどんどん増えていきます。

怖いのが、
長生きすればさらに負担が増えるということです。

最低で850万円、病状や寿命によっては
1000万円以上の損失となるのです。

医療を必要最低限に抑える方法

医療費が上がる理由と
医療費が上がったらどうなるかをお話して来ましたが、
では我々は何も対策せずに過ごすしかないのでしょうか?

・・答えはNOです。

あなたができることで
医療費を必要最低限にする方法があります。

それは「予防」です。

よく「予防に勝る治療はない」と言われていますが、
その通りだと考えます。

日々の習慣を変えるだけで防げる病気はたくさんあります。

もちろん遺伝的な疾患や、突然の事故や病気などは
なかなか防げないので仕方ありません。

予防できる病気で代表的なものといえば
生活習慣病である糖尿病やメタボリック症候群ですね。

掛かると莫大な医療費がかかる上に、生命の危険にまで及びます。

なので、大事なことはあなたがいかに「予防できるか」です。

医療は日々進歩しており、
自分の体を詳しく知ることができるようになりました。

例えば私がクリニックで行っている検査では
遺伝子レベルであなたの体のことが分かりますし、
どの栄養素がどの程度足りていないか、
ホルモンバランスが崩れていないかなども把握することができます。

私はいつも「自分の体を知ることが大事である」と言っています。

ただ、多くの人があてにしている
健康診断や人間ドックは残念ながらそう言ったことは分かりません。

健康診断や人間ドックの数字だけでは
どのように予防すればいいかまではわからないのです。

なぜなら健康診断はせいぜい20~30項目、
人間ドックでも40~50項目程度ですし、そもそも見方が違います。

私のクリニックでも、
当初は70項目位の検査項目から始めていましたが、
より皆さんの詳しく身体を知るためには
あれも見たいこれも見たいと項目を追加していたら
いつの間にか90以上にまで増えてしまいました。

これからの世界はどういうふうに変わっていくのかは分かりません。

今回の感染症が終わっても、
また新たなウイルスが出る可能性も大いにあります。

一番大事なのはあなたの体なので、
自分の健康には投資を惜しまないでください。

まずは簡単にできる手洗い、うがいはもちろん。

口に入れる全てのものや身体に触れるものを意識したり、
自分の体の状態を知ることをおすすめします。

これからも寿命はどんどん長くなる中、
あなたにとって人生における最大の財産になるのは健康体なのです。

ご自身の身体の状況を知りたい方や、
体調や症状などで気になる点がある際には、お気軽にご相談下さい。

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