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コラム

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医師が教えるサプリメントの正しい飲み方(摂取方法)

薬局・ドラッグストアはもちろんのこと、最近ではコンビニや100円ショップでも「ビタミンB」や「ビタミンC」と書かれたサプリメントが置かれています。

内閣府の調査によると

「約5割の人が2種類以上のサプリメントを摂取。さらに2種類以上のサプリメントを摂取している人の約7割は、ほぼ毎日摂取している」

という結果が出ています。

それくらい日本人は、サプリが好きです。

とはいえ、

「このサプリは、はたして本当に自分に合っているの?」
「そもそもどれくらい効果が出てるの?」

と考えたことはありませんか?

サプリメントの専門家の立場から言えば、日頃診療していて「サプリをうまく使いこなし、効果的に役立てている人は決して多くはない」というのが正直な印象です。

サプリに関する情報は、雑誌やWEBなどあらゆるメディアにあふれていますが、中には誤った使い方を紹介しているものもあります。

そこで今回は、どのように利用するのが正しいのかという点について、サプリメント大国アメリカでの飲み方を中心に、正しいサプリの飲み方をご説明します。

そもそもサプリとは?

Tabletten auf Holztisch

サプリメントとは、そもそも何を指すのでしょうか。

薬みたいなもの?

実は、サプリメントの内容については法律で細かく定められています。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ、酵素などを1種類以上含む栄養補助のための製品で食品に分類され、決して「薬」ではありません。

ちなみにサプリと薬の大きな違いをご存知ですか?

アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると、サプリはそれを飲むことで期待できる効果をアピールすることはできますが、薬ではないので「治る」とか「病気を予防する」ということをアピールすることができません。

またサプリは薬のように、用法・用量がボトルに記載されていないことが多いです。

その理由は、サプリは薬と違って、効果を得るために必要な量や飲むタイミングに関して臨床研究がそれほど豊富ではないからです。
(※なかには行っているものもあります)

十分量の栄養素をとり、健康維持・増進のために多くの人はサプリを飲んでいると思います。

しかし、全ての人がサプリを必要としているわけではありません。

なぜなら、健康的な食事をとることで必要な栄養素を補充することは可能だからです。

…ただ、現代の食事に含まれる栄養素は昔に比べて減っており、なかなか食事だけで必要十分な栄養素を補うのは難しくなっているのも事実です。

また、毎食意識しすぎて多くの野菜や果物、肉や魚などを摂ると逆にカロリーオーバーになってしまう危険性もあります。

さらに食品に含まれる栄養素を重視するあまり、食事内容を自由に選択できなくなってしまう可能性もあります。

「豊食」といわれるこの時代、「好きなものを好きなときに食べたい」という欲求を我慢することは容易ではありません。

そういった意味で、不足しがちな栄養素をサプリで補いながら、食生活を楽しむということは決して悪いことではありません。

サプリを摂取する場合は、「うまく付き合うこと」がポイントになるという点をまずはご理解ください。

サプリの飲み方(摂取方法)について

Variety of dietary supplements, including capsules of Garlic, Evening Primrose Oil; Artichoke Leaf; Olive Leaf; Magnesium and Omega 3 Fish Oil. Selective focus. Taken in daylight.

サプリの飲み方を間違えると、意味がないばかりか、逆に身体にとって有害な影響を及ぼす可能性もあります。

最も一般的で多く出回っているサプリメントは、マルチビタミン(ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD)ですが、

ビタミンB,Cは水溶性ビタミンなので、食事と関係なく摂取してもOKですが、ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、油と一緒に摂ると吸収率が上がるので食後に摂ったほうが良いです。

水溶性ビタミンは、摂取してから排出されるまでの時間が早いため、1日複数回に分けて服用するのが良いとされています。

また水溶性ビタミンは一度に吸収できる量に上限がありますので、一度にたくさんの量を摂取しないようにしましょう。

例1)ビタミンB

ビタミンBは、回50mgを朝夕2回(計100mg/日)を目安に摂ると良いです。

ただし、人によってビタミンBの消費量は変わってきます。

そこで目安になるのが「尿の色」です。

ビタミンB(主にB2)が十分にあると、尿の色が鮮やかな黄色になります。

尿の色が黄色の状態では身体に必要十分なビタミンBがあると考えてOKです。

逆に尿の色が薄くなったらビタミンBが減っているので、そのタイミングで補うのが良いです。

例2)ビタミンC

ビタミンCにも一度に腸で吸収される量には上限があります。

一度の摂取量が1000mgを超えると吸収率が50%未満に低下し、吸収されなかったアスコルビン酸は尿中に排泄されます。

したがってビタミンCはこまめに摂ると良いです。

1日3000mgとるとしたら、それを一度に摂るのではなく、何回かに分けて摂ると良いでしょう。

特にビタミンCは、ヒトが最も枯渇しているビタミンとも言われています。

ストレスなどでも消費が増えるので現代人は特に足りていないです。

そういうこともあり、ヒトによってビタミンCの必要量はかなり違います。

その差は最大100倍ともいわれております。

ビタミンCがこれ以上吸収できなくなるとあるサインが出てきます。

それはお腹の症状です。

お腹がはったり、ガスが増えたり、下痢をしたりします。

逆にその症状が出るまで増やせるとも言えます。

こまめに摂取し、お腹のサインが出たらやめるという感じでコントロールすると良いでしょう。

サプリの飲み方(摂取方法)のまとめ


当院にご来院される方でも、血液検査などを行うとやはりビタミンB、C、Dが足りていない方が多いので、必要十分な量を摂取できるサプリメントをまとめて、1日2回で飲めるように処方しております。

さらにビタミンB、Cなどの水溶性ビタミンは体質によって消費量が違うので、別途個別でも用意しております。

またサプリ上級者の方になると、ご自身の尿の色やお腹の症状を見ながらそれらを調整して摂取されており、私もそのように患者様に指導をしています。

・・・サプリの飲み方1つでこんなに意識しなければいけないのか!?、と驚いた方も多いかも知れません。

予防医療が浸透しているアメリカではごく普通にこれらのルールを守ってサプリを利用しています。

大切なのは、「習慣」にできるかどうかです。

サプリとダイエットは同じだとよく言われます。

始めることは簡単ですが、それによってどれだけ結果が出るかは十人十色で、個人差が極めて大きい。

結果にコミットするためには、サプリを漫然と摂って満足するのではなく、正しい飲み方を意識すること。

そのためにもまずは、自分には何の栄養素が不足しているかを知ることが大切です。

理想はきちんと検査をして過不足を確認することです。
そして、不足分を補うために最適なサプリの量と飲むタイミングを考えてみてください。

これがサプリを効果的に利用するための第一歩と言えるでしょう。

当院ではビタミン・ミネラルの過不足を検査する血液検査を用意しております。

90以上の項目を分析することができ、通常の健康診断の血液検査よりも詳しく知ることができます。

ご自身の身体を知る意味でも、ご興味ある方は一度受けてみると良いかもしれません。
当院の血液検査詳細はこちらです。